「七つまでは神のうち」を見てきたので感想!

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8.20公開 映画『七つまでは神のうち』公式サイト渋谷の映画館 | シアターN渋谷で見てきました。17時からの回でした。

いつもならええ、もちろん日南響子さんが目的ですが何か?と言うところなんですが、今回は公式のウェブサイトを見て、お好きな雰囲気だったのでやってきました。レコードでいうところのジャケ買いみたいな感じですね。

ジャケ買いは基本的に中身にがっかりすることが多いのですが、この映画に関しては予想以上によかったです。ジャケット詐欺とは呼ばせません。

ネタバレ警告:以下の文章には作品の内容について触れている箇所があります。まだ該当作品をご覧になっていないかたはご注意ください。

さて、上映するシアターN渋谷には初めて来たのですが、開演前に受付のお姉さんがスクリーン横でマイクをで話し始めました。てっきりこれがここのスタイルなのか。変わった映画館だなと思っていたらなんと!監督の三宅隆太さんがいらしていて挨拶をしてくれるというサプライズの紹介でした!

そして監督さん登場。監督いわく「空いているところ以外満席」という会場から大きな拍手をうけつつステージ上へ。そして監督自らの映画のご紹介をいただきました。うーんこれはなんて贅沢な。

いわく。ホラーはおもてなしだと思っています。すっきりするおもてなしもありますし、家に帰ってお風呂に入っている時に背後が気になるおもてなしや、鏡にちらっと何かが映った気がするおもてなしもあります。この作品ではあまり説明をしていません。見終わってから「こうなのかな?」と想像する余地のあるおもてなしをしていますので、皆様がそれぞれに楽しんでいただければうんぬん。といった内容だった気がします。脳足りんなのでもしかすると全然ちがうかもしれませんが…まぁ気にしないと言うことで。

監督のトークも終わりいよいよ本編の感想へ進みます。

入れ子の錯誤

本作には複数の錯誤のトリックが仕込まれています。1つは時間軸の錯誤。1つは被害者と加害者の錯誤。そして生と死の錯誤。

時間軸の錯誤

作中で4つの失踪事件が発生しますが、その登場順と実際の時間軸は意図的に変更されています。

作中では「繭の目撃」「繭の失踪」「さくらの失踪」「薫の失踪」「麗奈の邂逅」と描かれますが、これを実際の時間軸に並べなおすと、

  1. 「さくらの失踪」
  2. 「薫の失踪」
  3. 「繭の目撃」
  4. 「繭の失踪」
  5. 「麗奈の邂逅」

という順になります。そしてこの後は映画のラストに繋がっていくわけですがそれはさておいて、この複数の時間軸の錯誤の中に隠したかったものは何かといえばもちろん始まりの事件にあたる「さくらの失踪」ということになります。それは何故か。その答えは次の錯誤につながります。

被害者と加害者の錯誤

時間軸の錯誤によって「」も「バンの少女」も被害者として認識したままストーリーが進みます。その後には「さくら」が、そして「麗奈」がよろい山の森を舞台に事件の「被害者」として描かれていきます。ここまでは「加害者」はバンに乗る「顔の見えないツナギの人物」として描かれてきました。

しかしラスト直前でこの2つの錯誤はどんでん返しされます。

どんでん返し

被害者であると錯誤していた「繭・薫・麗奈」が、実は被害者「さくら」の「加害者」であるというどんでん返しが。

そして、同時期に起こったと錯誤していた4つの失踪のうち1つが、10年以上も前の出来事であるというどんでん返しが。

この2つのどんでん返しにより本作の全体像があきらかになります。「さくら」の失踪=死の原因となった3人の同級生「繭・薫・麗奈」に対する「さくらの両親」の復讐が3つの失踪の正体となるわけです。7歳の頃に3人にいじめられていた「さくら」の望んだ通りの罰を下していく両親。そこには神の救いすらない、ただ絶望があるだけ。というエンドです。

ちょっと待てよと

両親の復讐はわかったけど、説明不可能なところがあるんだけどって?そうですね、そこが監督のいう「こうなのかな?」っていう部分だと思うのですけどね。

一応思ったことを書いておくと、さくらの両親はおそらく10年前に心中していると思います。繭のお父さんがバンを追いかけて行って車中に腐乱した死体を目撃しましたね(ちなみにこの段階ではこの腐乱死体は「誰だかわからない被害者」という錯誤を引き起こす描写をされていますよ)。そして、同じ死体がラストシーンではさくら家族の写真や練炭と共に再度映ります。

つまり、復讐を果たしていたさくらの両親はすでにこの世に生きるものではなかった。という風に考えられます。

僕はこれが最後の錯誤である生と死の錯誤なのかなーと思っています。

生身の人間では説明不可能なはずの事象という錯誤が、霊的な存在であったからからこそ可能となる(市松人形、PTSDのカウンセラー、突き刺さるパイプetc)というどんでん返しが想像できるのではと思います。一切不明だった犯人についても、両親が霊的存在となることで、同じく霊的存在となってしまったさくらの声が見え聞こえるようになった。と。

とココまでは理屈をつけたけど

ココまでは映画を見れば誰だってそう感じるだろ?って地点で(実際さくら母が山に行くさくらを見送るところでここまでの構図は割れた)、実はまだまだ消化不良な点がありまくりですw

  • 逆回転のセリフは何?
  • 繭と麗奈にのみ現れた大量の人々は何?
  • 両親が死んだ時点で真相がわかったなら10年待った理由は?
  • そもそも母の見た夢は本当に夢?

とまぁ、この辺のことを考え始めるとまだまだいろいろと想像をすることが出来たりして楽しいですね。こっちこそが本当の「こうなのかな?」の部分なのかも知れません。うーん、例えば両親はさくらを失ったことで無理心中をするけれど、父は死にそびれて精神に異常をきたした生身父と霊的母の共犯説。とか、そもそもさくらはよろい山の神社の血筋の子として7つになる時に神にささげられる生贄だったはずなのに、その前に生き埋めで殺されて遠藤一族の霊大激怒説。とか。

ちなみに原作小説があって、映画とは結末が違うそうなので、そちらを読むとモヤモヤのいくつかは解決されたりするんでしょうかね?ていうか買うの忘れてたぜ!

恒例の細かすぎる感想

  • 繭役の日南響子さん。おそらくほぼ素だと思いますがとても演技がうまい!
  • というか繭になりきってる。最初のお父さんとのちょっとギクシャクした関係が密かにいい!
  • でもやっぱりラストシーンが最高にいい!!
  • あのシーンは歴史に残ると思う。あそこだけのためにお金払ってもいいよ。
  • 日南響子さんはじめ、出ている女優さんはみな美人。
  • それだけでも、払ったお金の損はしないよ。眼福眼福。
  • 繭・薫・麗奈はとってもわかりやすいスタダ顔。
  • 燃えるところが残念チープ。
  • 静岡のどこだっけ?低予算映画のメッカと言われる町で9日間で撮影だって。
  • 夜のシーンが変なレンズじゃなくてそれなりに夜だったのはよかった。
  • 宝積有香さんが美人過ぎてPTSDになりそうです。カウンセリングしてください。
  • 三宅監督にパンフレットにサインしていただきました。ありがとうございました。
  • パンフレットが全ページ暗い色調なので、かすかにしかサインが見えません。
  • 公式サイトのゲームが結構ビビる

そうそう。脚本家の向井康介さん三宅隆太監督トークイベントやるそうです。8/26(金)19:00の回上映の後だそうな。詳細はこちらで→七つまでは神のうち。行きたいけど仕事がぁ~。